是日外務大臣伯爵小村寿太郎、栄一以下旧渡米実業団員一同を招きて帰朝歓迎晩餐会を其官舎に開く。内閣総理大臣侯爵桂太郎・農商務大臣男爵大浦兼武臨席、外務・総理両大臣の演説あり、栄一答辞を述ぶ。
出典:『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 3章 国際親善 / 1節 外遊 / 1款 渡米実業団 【第32巻 p.459-461】
外務大臣小村寿太郎(こむら・じゅたろう、1855-1911)は、1909(明治42)年に約3ヶ月にわたってアメリカ各地を訪問した旧渡米実業団員を招き、帰朝歓迎晩餐会を開催しました。官舎で開催された晩餐会には内閣総理大臣侯爵桂太郎(かつら・たろう、1848-1913)や農商務大臣男爵大浦兼武(おおうら・かねたけ、1850-1918)も臨席、小村寿太郎と桂太郎による演説がなされました。渋沢栄一は旧渡米実業団団長として一行を代表し、以下のように答辞を述べています。
[前略] 我等の旅行は、其の効果果して如何あらんかと案じ居たるに、唯今外務大臣閣下より斯く御認めに預り、御叮寧なる御挨拶を受けたるは、一同の感謝し且安心する所なり、就ては今後に於ける責任も大なれば、尚大に勉むる所あらんことを期す [後略]
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.459-460掲載、『竜門雑誌』第261号(1910.02)p.39-40より)