『渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.443-458
○第一編 第九章 帰航日誌
第三節 船中の下
十二月八日 (水) 晴
今日より船客競技会を行ふ、甲板にて体力を競ふもの、喫煙室にて智嚢を搾るもの等、随意随所に在りて徒然を忘る。折柄天洋丸の航路に近けるを以て、直に之に打電し、乗組の新任米国大使男爵内田康哉氏に祝意を表す。
天洋丸内田大使宛 地洋丸 渋沢
三ケ月間米国官民の厚情を受けたる我渡米実業団は、遥に閣下及男爵夫人に敬意を表し、御任務の成功を祈る。
直ちに内田大使より返電あり
地洋丸渋沢男爵宛 天洋丸 内田
御好意多謝、御成功を祝し、御一行の万福を祈る。
夜に入り乗組外人側にて舞踏会の催あり。水野・福井両夫人、並に令嬢等招かれて之に列す。
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.379掲載)
参考リンク
- 地洋日記 同[12月]八日 - 巌谷小波著『新洋行土産』上巻 p.258-259
〔近代デジタルライブラリー - 国立国会図書館〕
http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40005900&VOL_NUM=00001&KOMA=144&ITYPE=0