「渡米実業団」日録

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 今から約100年前の1909(明治42)年、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人51名が3ヶ月間にわたりアメリカ合衆国の主要都市を訪問し、民間の立場から、日本とアメリカの経済界を繋ぐパイプづくりに大きく貢献しました。
 この日録では「渡米実業団」(Honorary Commercial Commissioners of Japan to the United States of America)と呼ばれた日本初の大型ビジネスミッションの日々の出来事を、『渋沢栄一伝記資料』に再録された資料等で追いながら、過去に遡る形で掲載しています。

 1909(明治42)年11月29日(月)渋沢栄一、アメリカ大統領宛に謝礼の電報

渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.546-547

 ○第三編 報告
     第二章 電信雑輯
○上略
      大統領への謝電
一行が桑港出発の前日、即ち十一月二十九日、渋沢団長は大統領に宛て左の電報を発したり。
貴国沿岸を去るに当り、日本実業団に代り、閣下が親しく表されたる好意に対し、謹で感謝の意を表す。当共和国の元首たる閣下に対し、本団が随時随処、貴国の市民より受けたる好意と礼譲に対し熱心なる謝意を表し、切に閣下の栄福と貴国の繁栄を祈る。
 十一月二十九日   桑港にて
               日本実業団長
                 男爵 渋沢栄一
   華盛頓白堊殿にて
    大統領閣下
十一月二十九日より三十日に渉り、市俄古大学のモーア教授、華盛頓のウードフオード将軍、紐育の高峰博士、スプリングフィルドのバッカム氏、華盛頓国務省のミラー氏、聖路易のステブンソン氏、及其他各地より、続々無事帰国を祈る旨の電報に接したり。
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.368掲載)


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