『竜門雑誌』 第270号 (1910.11) p.44-51
○青渊先生米国紀行(続)
随行員 増田明六
十月廿一日 木曜日 (晴)
紐育滞在一週間も匆卒の間に経過して、今夜十一時列車に帰着し、明朝は午前一時に発車する順序なりければ、一行は荷作等に余念なし
青渊先生には午前来訪の客に接し、正午はシツフ氏の招待に依りて、重なる委員と共に法律家倶楽部に催されたる午餐会に列せられ、主人側の挨拶に対して一場の演説を試みられ、午後三時帰宿、午後九時ホテルを引揚げ、自動車にて特別列車に搭乗せられたり、渡瀬・田村・南・原(竜太)の諸氏は此処にて分れ、加奈陀地方視察の途に上る
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.222掲載)
『渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.249-263
○第一編 第六章 回覧日誌 東部の下
第一節 紐育市
十月二十一日 (木) 雨
紐育市の富豪シッフ氏は、法律家倶楽部に席を設けて、渋沢男以下一行の主なる者を招き、叮重なる午餐を饗せり。来会者は何れも当代財界の有力者とす。今夕六時頃一同ホテルを引揚げ、それより散歩或は買物等をなし、十一時頃何れも列車に帰り、夜半ニューヘブンに向ふ。渡瀬・田村・南・原博士の四氏は、此処にて一行に別れ加奈陀地方視察の途に上る。
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.227掲載)
参考リンク
- 都市詳細 ニユーヨーク - 渡米実業団
〔渋沢栄一記念財団 渋沢栄一〕
http://www.shibusawa.or.jp/eiichi/1909/city/c29_newyork.html