「渡米実業団」日録

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 今から約100年前の1909(明治42)年、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人51名が3ヶ月間にわたりアメリカ合衆国の主要都市を訪問し、民間の立場から、日本とアメリカの経済界を繋ぐパイプづくりに大きく貢献しました。
 この日録では「渡米実業団」(Honorary Commercial Commissioners of Japan to the United States of America)と呼ばれた日本初の大型ビジネスミッションの日々の出来事を、『渋沢栄一伝記資料』に再録された資料等で追いながら、過去に遡る形で掲載しています。

 1909(明治42)年9月22日(水) 日本での報道「実業家と大統領」(東京日日新聞)

東京日日新聞』 第11776号 (1909.09.22)

    実業家と大統領
実業団は去る十九日当地歓迎会に於て大統領に謁し、午餐の饗応を受けたる際、渋沢男は演説に次で発声して大統領の万歳を三唱し、大統領は其日本漫遊の愉快なりし事を回想し、日本商工業の発達は米国の好得意を持つ所以なれば、米国の大に歓迎する処なりと述べ、又過般来日米間の関係に付き彼是れ批評あるも、右は全く新聞紙の虚構せるものにて、其売行を増さんとせる商略に外ならず、且つ米国商工業者は、国内の利益多きが為め、外国貿易を軽んずる傾あるも、今後は各国に後れを採らざる様、東洋貿易にも注意すべしと述べ、殊に 天皇陛下の御懿徳を熱誠に称揚し、自ら陛下の万歳を三唱せり、一行は此に異数の光栄に対し、非常の満足を表せり
               (ミネアポリス水野総領事談)
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.152掲載)


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