「渡米実業団」日録

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 今から約100年前の1909(明治42)年、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人51名が3ヶ月間にわたりアメリカ合衆国の主要都市を訪問し、民間の立場から、日本とアメリカの経済界を繋ぐパイプづくりに大きく貢献しました。
 この日録では「渡米実業団」(Honorary Commercial Commissioners of Japan to the United States of America)と呼ばれた日本初の大型ビジネスミッションの日々の出来事を、『渋沢栄一伝記資料』に再録された資料等で追いながら、過去に遡る形で掲載しています。

 1909(明治42)年9月1日(水) 団員一同、贈呈された徽章を佩用 【滞米第1日】

渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.576-582

太平洋沿岸聯合商業会議所徽章

 「太平洋沿岸聯合商業会議所」徽章
(「紀念牌及徽章」 (『渡米実業団誌』巻頭折込)掲載)


 ○第三編 第五章 徽章及び金牌伝献の件
    第二節 金剛石入金製徽章
       (本書写真版第一頁参照) ○写真版略ス
我実業団の一行がシヤトルに上陸したる時、主人側たる太平洋聯合商業会議所は、特に意匠を凝して調製し置きたる徽章を(渋沢男爵には金製にて、其他には銀製にて)一行に配付したるに由り、其後各地を訪問し、到る処美麗又は高価なる徽章・紀念牌等を受領したるに拘らず、右等は当該都市限り佩用するを常としたるも、該聯合商業会議所の調製に係る徽章は、本邦より携へ行きたる我実業団の徽章と相並んで終始団員一同の佩用する所となれり、然るに主人側の聯合商業会議所は、右徽章と略々同一の意匠に由り、特に美麗なる徽章二個を調製したり。即ち本書写真版第一頁に揚げたる徽章の旭日旗を皇族旗に改め、米国旗の星章を全部金剛石を以て鏤めたるものなり。[後略]
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.450掲載)


日本渡米実業団徽章

 「日本渡米実業団」徽章
(「紀念牌及徽章」 (『渡米実業団誌』巻頭折込)掲載)
 

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