「渡米実業団」日録

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 今から約100年前の1909(明治42)年、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人51名が3ヶ月間にわたりアメリカ合衆国の主要都市を訪問し、民間の立場から、日本とアメリカの経済界を繋ぐパイプづくりに大きく貢献しました。
 この日録では「渡米実業団」(Honorary Commercial Commissioners of Japan to the United States of America)と呼ばれた日本初の大型ビジネスミッションの日々の出来事を、『渋沢栄一伝記資料』に再録された資料等で追いながら、過去に遡る形で掲載しています。

 1909(明治42)年11月18日(木) 加州分遣隊視察記(渡瀬農学士稿)

渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.435-436

 ○第一編 第八章 回覧日誌 西部の二
     第十二節 桑港附オークランド
  加州分遣隊視察記          渡瀬農学士稿
[前略] 十八日[17日?]午後三時加州サクラメント市に着、嘗て桑港商業会議所会頭たりしベントレー氏、一昨年米国実業団長として本邦に来られしドールマン氏、同商務調査委員たりしヘール氏等、並に在留日本人会長吉田某及び多数の日本人の歓迎を受け、自働車にて該市の要所を巡覧し、更に同胞の農業に従事せるフロリン農村に赴き主なる同胞の農場を視察し、其栽培に係はる葡萄及草苺の贈与を受け、日没頃サクラメント市に帰り、予て同市商業倶楽部に於て準備せる晩餐の饗応を受け、会長及びドールマン氏の簡単なる歓迎の辞中野会頭の是等に対する答辞あり、食後同地を発して桑港に向ふ。オークランド船場附近に於て多数在留日本人の出迎を受け、同夜は直ちにフエヤーモント・ホテルに投宿す。[後略]
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.356掲載)

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