「渡米実業団」日録

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 今から約100年前の1909(明治42)年、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人51名が3ヶ月間にわたりアメリカ合衆国の主要都市を訪問し、民間の立場から、日本とアメリカの経済界を繋ぐパイプづくりに大きく貢献しました。
 この日録では「渡米実業団」(Honorary Commercial Commissioners of Japan to the United States of America)と呼ばれた日本初の大型ビジネスミッションの日々の出来事を、『渋沢栄一伝記資料』に再録された資料等で追いながら、過去に遡る形で掲載しています。

 1909(明治42)8月8日(日) 外務大臣、在米大使らに訓令「政府趣旨による民間人応召につき、便宜斡旋をするように」

渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.14-72

八月八日、小村外務大臣は、在米帝国大使・総領事・領事に宛て、今回の招待は、米国実業家が、昨年来朝の際の歓迎に対する、答礼の趣旨に基づけるものなりと雖も、其本意は、相互通商関係を増進するの途を講ずると共に、日米両国の親交を益々円満にせんとの趣旨に出でたるは疑なき所なれば、我政府此の趣旨を以て民間有力者の渡米を勧誘し、民間に於ても其趣旨を体して応招したる次第なるが故に、在米帝国官吏は、此趣旨を体して、一行の為に便宜斡旋すべき旨を訓令し尚ほ同様趣意を以て、ボストン、聖路易、フィラデルヒア駐在の名誉領事にも訓令を発したり。
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.30掲載)