「渡米実業団」日録

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 今から約100年前の1909(明治42)年、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人51名が3ヶ月間にわたりアメリカ合衆国の主要都市を訪問し、民間の立場から、日本とアメリカの経済界を繋ぐパイプづくりに大きく貢献しました。
 この日録では「渡米実業団」(Honorary Commercial Commissioners of Japan to the United States of America)と呼ばれた日本初の大型ビジネスミッションの日々の出来事を、『渋沢栄一伝記資料』に再録された資料等で追いながら、過去に遡る形で掲載しています。

 1909(明治42)年7月27日(火) 外務大臣、ニューヨーク駐在領事に夫人とともに一行に同行するよう訓令

渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.14-72

七月二十七日に至り、小村外務大臣は紐育駐在水野総領事に対し、今回渡米する実業家を指導し、各地歓迎交歓に対し、主客双方を満足せしむる為め、同行を命ずるに因り、九月初旬実業家のシヤトル着を待受け、終始同伴旅行すべく、尚ほ一行中には夫人の数少なく、米国側の希望に副ひ難き事情あるに因り、水野夫人をも同伴すべき旨訓令したり。
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.30掲載)