「渡米実業団」日録

情報資源センター・ブログ別館

 今から約100年前の1909(明治42)年、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人51名が3ヶ月間にわたりアメリカ合衆国の主要都市を訪問し、民間の立場から、日本とアメリカの経済界を繋ぐパイプづくりに大きく貢献しました。
 この日録では「渡米実業団」(Honorary Commercial Commissioners of Japan to the United States of America)と呼ばれた日本初の大型ビジネスミッションの日々の出来事を、『渋沢栄一伝記資料』に再録された資料等で追いながら、過去に遡る形で掲載しています。

 1909(明治42)年5月10日(月) 米国の商業会議所より招待状到着

渡米実業団誌』 (巌谷季雄, 1910.10) p.14-72

[前略] 明治四十二年五月十日、左の正式招待状、外務省を経て我五商業会議所に達せり。
拝啓、陳者日本国並に日本国民に対し、友情好意を表明せんが為め且つは日米間に於ける貿易の発達と、意志の疏通を図り、以て貴我両国間の商工業をして益々繁栄ならしめんが為に、左記四商業会議所は東京・大阪・京都・横浜・神戸の五商業会議所に対し、本年九月を期し、日本の重なる実業家三十名を御選択の上、合衆国を来訪相成る様致度、玆に御招待申上げ候。
右幸に御承諾相成候上は、スポケーン、タコマ、ポートランド及シヤトルの商業会議所は、来訪諸氏の滞在及び旅行を愉快且つ有益ならしむるに於て寸毫の遺漏なきを期し、以て聊か昨年貴商業会議所の招待に応じ、貴国を訪問したる我商業会議所の代表者に対し表されたる厚遇配慮に酬ひ度き存意に有之、以書面此段得貴意候 敬具
   一九〇九年三月二十六日
         スポケーン商業会議所会頭
               エフ・イー・グットオール
         タコマ商業会議所会頭
               イー・ジー・グリッグス
         ポートランド商業会議所会頭
               ウヰリヤム・マクマスター
         シヤトル商業会議所会頭
               ジョン・エッチ・マックグロー
    東京商業会議所
    大阪商業会議所
    京都商業会議所  御中(各通)
    横浜商業会議所
    神戸商業会議所
[後略]
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.13-14掲載)